粋な提案
読書の喜び、ご一緒に。本の書評・ブックレビューです。
インシテミル 米澤穂信

装幀は関口信介。装画は西島大介。書き下ろし。
車がほしい大学生・結城理久彦は高給の怪しげな実験モニターに応募。
選ばれた男女12人は閉ざされた地下室「暗鬼館」で7日間を過ごすことに。
凶器を与え膨大な報酬で「殺人」を煽る主催者。
高いリスクの馬鹿らしさを全員で確認しますが、翌日死体が。
面白くて久しぶりに加速がつきました。
高度にシステム化された“クローズドサークル=嵐の山荘・
孤島モノ・館モノ”ジャンルのミステリー。
井上夢人さんや森博嗣さんが手がけそうな設定です。
暢気でとぼけた性格の主人公視点で、始めは明るさも。
終始暗闇の空間で不安が恐怖に変わり、疑心暗鬼を生む心理描写にどきどき。
和食や中華が多い理由からルールブックの厳守まで、
ミステリのガジェットを詰め込み、作法を踏まえた展開です。
すっかり騙されました。用意周到でアドリブに強い犯人の行動に追いつけなくて…。
ミステリ好きなので悔しさもありましたが、終盤、すごい勢いの謎解きに驚きました。
後味苦めの終わり方に米澤さんらしさも。これからも活躍が期待できそうです。
タイトル、読み始めは館に「インしてみる」と思ったら…。英題は"THE INCITE MILL"。
incite:引き起こす、煽動する、刺激する。mill:水車場、製粉所、ひきうす、でした。
登場人物(容疑者)自己紹介順:大迫雄大、若菜恋花、釜瀬丈、西野岳、岩井、
須和名祥子、結城理久彦、箱島雪人、真木峰夫、関水美夜、安東吉也、渕佐和子。
関連情報 米澤穂信の読了本
・・春期限定いちごタルト事件 米澤穂信
・・夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤穂信
・・犬はどこだ 米澤穂信
・・ボトルネック 米澤穂信
・・遠まわりする雛 米澤穂信
米澤穂信 | コメント(36) | トラックバック(25) | ↑ページトップ
この記事へのコメント
綿 駄菓子 | URL | 2007/09/16 (日) 23:34
読み始めたら一気でした。ミステリ好きの興味をそそる舞台設定と展開で、これぞミステリっていう醍醐味を味わえましたね。
「ボトルネック」は精神的ダメージが大きかったです。今回は純粋なエンタテインメントで大絶賛ですよね。これからの米澤さんの作品、期待できそうです。
藍色 | URL | 2007/09/17 (月) 16:56
自分も「ボトルネック」を読んでアレだったので(苦笑)半信半疑で読み始めたのですが杞憂でした。ラストの怒涛の展開に何度「ぎゃふん」と言ったことか(笑)。ちょこっとネダバレの話ですが○○は十億円貰って何をしようとしていたのでしょうかね。ひょっとして別の話につながっているのかなと考えてしまいましたが…!?
リベ | URL | 2007/09/18 (火) 23:58
でしたねー。今月はもう1冊新刊が出るようで、そちらも楽しみです^^
タイトルの「インシテミル」は、文中にあった「淫されて」?だったかな
そこにかかってくるのかなーと思ってたんですが。どこだったかなぁ。
あいまいなコメントですみません<(_ _)>
まみみ | URL | 2007/09/19 (水) 04:56
こんばんは。「ボトルネック」、アレでしたね。しっかりわかります(苦笑)。今回は、まったく違ってて安心しました。ラスト、まさしく怒涛の展開でしたね。リベさんをも何度も「ぎゃふん」と言わせるなんて…。このコメント部分はネタバレOKですよ。報酬十億円の目的、気になりますよね。「ここで十億稼がないと……。みんな、死ぬ。何人も、何人も……。」(p433後ろから三行目、一部変更)という記述は重くて、なぜか左目にだけ涙が溜まっていくことも含めて、リベさんと同じで何か別の話につながりそうな気がします。
藍色 | URL | 2007/09/20 (木) 03:48
私も、館に「インしてみる」だと思ってました〜。
藍色さんのレビューで違った意味だったんだ!と初めて知りました(^_^;)
初めから最後まで楽しめる内容で、ミステリを読む楽しさを味わわせてもらった一冊でしたね。
またこういう作品を読ませてもらいたいです〜。
次は〈明鏡庭〉でのミステリだったら良いですね♪
エビノート | URL | 2007/09/20 (木) 22:16
普段は死者がほとんど出ない青春ミステリの米澤さん。新境地で面白かったですね。え!今月もう1冊新刊が出るのですか!?。慌てて調べないと、です。そうそう、どこかに「淫されて」みたいな言葉、あったような。ちょっと気になります。
藍色 | URL | 2007/09/21 (金) 03:11
こんばんは。気になったので辞書で調べたら、やっぱり意味が隠されていました。お役に立てたみたいでうれしいです。
最後まで目が離せない、読み応えのあるミステリでした。
〈明鏡庭〉、書かれたらどんな物語になるのか楽しみですね。
藍色 | URL | 2007/09/21 (金) 03:23
juice78 | URL | 2007/09/24 (月) 01:35
最後まで目が離せない面白さでしたね。騙されても心地よかったです。従来の青春ものとこういう新境地でファン度アップ。次の作品がとても楽しみです。
藍色 | URL | 2007/09/24 (月) 03:55
面白かったですね。
ミステリらしいミステリで、なんだか燃えました!
ラストの謎解き部分、勢いがよくって押されまくりでした。
…計算頑張ってしてましたねえ。
つられて私も計算仕掛けました(^_^;)やらんかったけど。
古典部シリーズの新作が出ましたね。
まだ読めそうにないですが、楽しみです。
ちきちき | URL | 2007/10/03 (水) 23:51
こんばんは。ミステリ好きにクローズドサークルもの!まさに燃えましたね〜。
謎解き部分のスピードと勢いってすごかったので、押されまくり…わかりますよ。
計算は手に負えないと判断してやめました。
古典部シリーズの新作、読むのはだいぶ先になりそうです。楽しみですね。
藍色 | URL | 2007/10/04 (木) 02:17
トラバ、コメントありがとうございます。
これでもか、これでもかとばかりに繰り出される本格ミステリらしいガジェットに、もうおなかいっぱい、大満足です。
今月はもう1冊、『遠まわりする雛』も刊行されます。古典部シリーズの短編集です。もう売ってるかもしれません。
shiba_moto | URL | 2007/10/04 (木) 14:56
こんにちは。こちらこそトラバ、コメントありがとうございます。
次々と出てくるガジェットやアイテムで、本格ミステリの楽しさを満喫できましたね。
『遠まわりする雛』古典部シリーズの短編集なんですね。楽しみです。
藍色 | URL | 2007/10/05 (金) 12:02
403ページで「高みの見物でミステリに淫してみた<主人>」と結城が言っていますよ。
たん2 | URL | 2007/10/11 (木) 00:45
こんばんは。コメント、トラックバックありがとうございます。
見失っていた「淫されて」?の謎、すっきりしました。
教えてくださってありがとうございます。
藍色 | URL | 2007/10/11 (木) 02:52
先週読んでいたのですが、○○の獲得賞金が千○○万円なのは何故・・?
という疑問を週末まで繰り越していたので感想を書くのが遅くなりました。
(1人殺して2倍になるので、まあそんなものでした)
米澤さんに自分が望んでいるのと違う本なので、自分としてはやや評価が厳しくなるのですが、逆に言うと米澤さんの引き出しの多さを評価すべきところなのだと思います。
トラックバックを送らせてもらいました。ありがとうございました。
トラックバック、いつもありがとうございます。
獲得賞金…なんとなく計算したくなっちゃいました(笑)。
米澤さんの本格ミステリ、びっくりして楽しく楽しく読めました。
「さよなら妖精」系の作品も書いてくださるといいですね。
藍色 | URL | 2007/10/23 (火) 18:07
たまねぎ | URL | 2007/10/24 (水) 02:17 | 編集
十三個の凶器の謎までわかったのですか?たまねぎさん、さすがです。
須和名祥子へのミスディレクション、目立ってましたもんね〜。わかります。
藍色 | URL | 2007/10/25 (木) 18:39
読んでから1週間しかたってないのに…
外に出られない状況で、どんどん起こっていく殺人。
主人公のノンビリした口調に救われました。
なな | URL | 2007/10/30 (火) 20:49
あら〜1週間で犯人を…再読で楽しめますね〜。犯人は明かしません(笑)。
結城のおっとりした語り口が、怖い事件を和らげていましたね。
藍色 | URL | 2007/10/31 (水) 11:53
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます| | 2007/11/06 (火) 23:33
米澤さんのミステリー知識がふんだんに盛り込まれていましたね。意気込みがしっかり伝わってきて、夢中で読みました。昔読んだ海外ミステリーのあれこれを思い出す面白さも感じました。
藍色 | URL | 2007/11/08 (木) 02:58
面白かったですね〜。
米沢さんの作品はやはり引き込まれます。
怒涛の謎解きは食い入るように読んでしまいました。
結城は最初は頼りなくて呑気だなぁと思っていたのですが、5日目以降からかっこよくみえました^^
最後の最後の手紙が気になります。
独特の設定、矢継ぎ早の謎解き、面白かったですね。
結城の呑気さで殺伐な雰囲気が和らげられたりもしました。手紙、気になりますね。
藍色 | URL | 2008/01/30 (水) 04:09
和食や中華の食事にまで理由があったのですね。すごい!
犯人はたまに当たりますが理由は説明できなかったり。でも好きなジャンルです。
食事内容まで目配りされてたことに驚きでしたね。
藍色 | URL | 2008/04/01 (火) 04:51
残忍風味もまったくなかったわけではないけれど
それを上回る面白さでした。
ふらっと | URL | 2008/04/07 (月) 18:49 | 編集
この作品で好感触を得られたみたいでよかったです。
かなりの残酷さでしたがミステリ好きの心をいい意味で刺激する面白さでしたね。
藍色 | URL | 2008/04/08 (火) 17:37
しお | URL | 2008/04/30 (水) 10:01
現在では難しい吹雪の山荘パターン、よく練られた設定・展開で面白かったですね。
結城の陽気な個性で深刻になり過ぎずに済みました。須和名家主催、読みたいです。
藍色 | URL | 2008/05/01 (木) 02:22
こんばんは〜!
TBありがとうございます。直ったようでよかったですね。
おもしろい小説でしたね。
満足な一冊でした。
kazu | URL | 2008/06/04 (水) 21:12
コメントまでありがとうございます。TB直ったみたいでひと安心です。
とっても刺激的なミステリ、楽しかったですね。
藍色 | URL | 2008/06/06 (金) 03:50
コメント&トラバ、ありがとうございます。
表紙を見て軽めのミステリかなと思ったのですが、いや〜、本格的でしたね。
ストーリーもおもしろかったし、結城や須和名のキャラもよかったと思います。
須和名の手紙、気になりますよねぇ。
mint | URL | 2008/09/03 (水) 01:56
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