装画は謡口早苗。装幀は新潮社装幀室。
1995年から2007年までの全23篇を収めた短編集。
掌編が多くてスイスイ読めます。
読み始めは怖かったのがだんだん笑えて、後ろでほっとする構成の妙。
いろいろな趣向、テクニックもちりばめられています。
さまざまな人の秘めた想い、心の機微。
北村さんの端整で丁寧な語り口、円熟の域に達しているみたいです。
特に「小正月」からの四篇は、少し長めの感動的ないいお話。
ほのぼのできました。
お気に入りは、親父ギャグが笑える「洒落小町」、
浮世絵ミステリの「かるかや」、ロマンチックな「雪が降って来ました」、
意外性が可笑しい「百合子姫・奇怪毒吐き女」、
“なります”の謎「小正月」など。
表題作が一番好きです。時々出てくる落語、そして駄洒落。
ほんとにお好きなんだなぁって思いました。
表紙のビー玉が珠玉の作品たちを表わしているかのようです。
目次:百物語/万華鏡/雁の便り/包丁/真夜中のダッフルコート/
昔町/恐怖映画/洒落小町/凱旋/眼/秋/手を冷やす/
かるかや/雪が降って来ました/百合子姫・奇怪毒吐き女/
ふっくらと/大きなチョコレート/石段・大きな木の下で/
アモンチラードの指輪/小正月/1950年のバックトス/
林檎の香/ほたてステーキと鰻
関連情報 北村薫の読了本
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ニッポン硬貨の謎:エラリー・クイーン最後の事件 北村薫1950年のバックトス北村 薫

1950年のバックトス 北村薫
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新潮社刊「1950年のバックトス」(北村薫 著)を読了。
さして運動神経が良いわけでもない両親の間に生まれた翔太が、野球を始めたのは小三の夏休みだった。秋に入って組まれた公式戦に翔太が出る。遠方より孫の顔を見に来た祖母・節子は、意外にも、野球と聞いて顔を輝
――入ったっ。でも――
グローブから出している暇はない。ゴロの打球だ。一塁ランナーは、早くも二塁に迫っている。同時に、ベースに駆け寄る楓の姿が目に入った。
――どうせ駄目なら。
そう、考えたというより、節子はただ、憧れの人に、一瞬でも早く白球を...
「小説新潮」誌に掲載された掌編を中心に23作集めた作品集。 ちょっと怖い話、くすっと笑わせてくれる話、心があたたかくなる話など23も作品があると様々なのですが、どれも北村印の判が打たれているかのようで、静かで淡々と語られる中に味わいや深みが感じられます。
今日読んだ本は、北村薫さんの『1950年のバックトス』です。
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JUGEMテーマ:読書出版社 / 著者からの内容紹介一瞬が永遠なら、永遠もまた一瞬。過ぎて返らぬ思い出も、私の内に生きている。秘めた想いは、今も胸を熱くする。大切に抱えていた想いが、解き放たれるとき――男と女、友と友、親と子、人と人を繋ぐ人生の一瞬。「万華鏡」「
★★★☆掌編集。23の小さなお話が収載されています。小粒ながら、それぞれに違った物語の世界に誘ってくれました。表題作の「1950年のバックトス』は、全く知らなかった女子プロ野球の話と言うこともあり、印象的でした。「ほたてステーキと鰻」は『ひとがた流し』の後日
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1950年のバックトス北村 薫 新潮社 2007-08売り上げランキング : 29130Amazonで詳しく見る by G-Tools内容説明秘めた心が解き放たれる一瞬。人から人に手渡され、人と人をつなぐ想いに胸が熱くなる―。さまざまな想いの軌跡、謎に充ちた人の心の機微を丁寧に辿る短篇集。「
1950年のバックトスぞくっとするような話、不思議な話、軽妙なおかしさのある話、ちょっとさみしいけれどあたたかな話、奇跡のような素敵な話etc。どれもそれぞれが印象的でした。よくわからないものもあることはあったんですが、さすが北村さん粒揃いです。次はどんなお...
短編よりも短い、ほとんど数ページくらいしかない掌編集でした。北村薫氏が今まであちこちで書いてきたのを集めたものらしい
ちょっと不気...
今日は朝から資源ゴミの回収。それが終わると、9時半からは、国勢調査の調査員の事前説明会。2時間にわたって、いろいろと説明を受けた。これから先、国勢調査、市民まつり、運動会と行事が目白押しだ。その他にも、平日に行われる行事が2件ほどあるため、GWに出勤...
またまた、お邪魔いたします。
ダジャレなんて、と思いつつも「洒落小町」は結構ニヤニヤしながら読んでしまいました。
23編それぞれが違った趣のあるお話しで、作者の巧さを感じさせられました。
最近、よく同じ本を読んでいますね。
次は角田さんの「予定日はジミー・ペイジ」を読み始めようとしていますので、また近いうちにお邪魔します!