装幀は有山達也。初出「すばる」。母についての短編集。
軽いタッチで気軽に読めました。
母と娘、母と息子、父と娘、夫と妻、恋人同士など、
母親にまつわるさまざまな思いや会話、
出来事を通して微妙に変化する関係。
意外にアクが強く個性的な顔を見せる母親たち。
表裏一体の愛情と束縛。
遠くて近い、淡くて濃い関わりを多彩なアプローチで
時にユーモラスに、時に切なく描いています。
新たな発見や心境に至る主人公たちに共感したり驚いたりしました。
ほっとして肩の力が抜けるような軽い気持ちになれました。
書くきっかけと今の気持ちをつづった「あとがき」がいいです。
「初恋ツアー」が好きです。
魚を調理していたあのとき笑ってくれていたら、
もっと好きになっていたんじゃないかっていう匡子の思いと、
気持ちの変化が心地よく印象に残りました。
目次:空を蹴る/雨をわたる/鳥を運ぶ/パセリと温泉/マザコン/
ふたり暮らし/クライ、ベイビイ、クライ/初恋ツアー
関連情報 角田光代の読了本 ひとつ前に読んだ本
・・
三面記事小説 角田光代マザコン角田 光代

マザコン 角田光代
- http://1iki.blog19.fc2.com/tb.php/349-3e833036
トラックバック
様々な母子の関係を、「マザコン」という心情を絡めて描いた短編8編。何でもない一場面を切り取ったような物語ばかりなのだが、登場人物それぞれの心情が巧く描かれていた。特に、タイトルにも由来している母を思う子の心情には、自分の思いと重なる部分がたくさんあ...
本当は「予定日はジミーペイジ」が読みたかったのだけれど、図書館にまだ入っておらず、その変わりに他の角田光代さんの新刊2冊を借りて来ました。
JUGEMテーマ:読書だれもがマザコンなのかもしれない。頼まれたコーヒー豆を忘れたおれに佐由理は言った「あなたマザコンよ」。それは違うだろう。いさかいの中ふと思った、おれは母を知らなかった、と――淡くもあり、濃密でもある人とのかかわりを描く作品集。集英社HP
『マザコン』ってタイトルで尻込みしていたんだけど、他所様の紹介を見たら面白そうだったので読んじゃいました。しかし今年最後の一冊がマザコンってのもなんだかなー。いや、本自体はいいんですよ、とっても。それにしても最近の角田さんは目を見張るものがありますね。..
マザコン角田 光代JUGEMテーマ:読書母親との色々な関わりを描いた8つの短編。主人公達は皆30代から40代、母親は60代から70代といった感じです。母親が病気になったり、認知症になったり、突然再婚したり、自分だけの人生を歩み始めたり。自分の中で勝手に決めた母
マザコン(2007/11)角田 光代商品詳細を見る母と子の関係は唯一のもの。だれもがマザコンなのかもしれない。母と娘、母と息子、父と娘、夫と妻...
マザコンクチコミを見る
# 出版社: 集英社 (2007/11/4)
# ISBN-10: 4087748839
評価:70点
読み終わってなんだったんだろうなと思わず首を傾げてしまった本。
もちろん巧いし、母という存在のダークな部分を、ほんの少しだけ異常性を感じさせるような微妙かつ
内容(「BOOK」データベースより)母と娘、母と息子、父と娘、夫と妻、恋人同士、それぞれの関係の微妙な変化―淡くもあり、濃密でもある人とのかかわりを描き、おかしみのなかに切なさがにじむ作品集。
TBとコメントありがとうございました。
母と子の微妙な心理が巧妙に描かれていた作品ですよね。
「ふたり暮らし」「初恋ツアー」がとても印象的でした。