写真は杉田治郎。装丁は岩瀬聡。「小説すばる」掲載に加筆・修正。
天災から生き残った信之が幼なじみの美花を救い二十年後。事情を知る輔が現れます。
打算的な南海子、信之に焦がれる輔、信之。それぞれの心の闇が生々しくリアルです。
封印した過去の秘密の危機。圧倒的な自然の暴力で、暴力を肯定、必然と考える信之。
日常の中に潜む理不尽な暴力。人間の醜さや怖さが際立つ、重くて暗いお話でした。
残酷な朝の光から月の光、蛍の光、骨の光。美花が信之の光。明るさでなく冷たい光。
題名「光」と裏腹な濃い闇に驚きです。三浦しをんさんの社会派小説・悪漢小説でした。
光三浦 しをん

光 三浦しをん
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怖くて少しうなされました。重くて挫折しかけました。人間の陰の部分がうまく出ています。最後まで読めてよかった。
光 作者: 三浦しをん 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2008/11/26 メディア: 単行本 三浦しをんの新作来ましたよ。小説としては『仏果を得ず』以来か。わたしは面白いと思ったのだけど、『仏果を得ず』はあまり話題にならなかったような気が。どうしてでしょう。そして今回
光三浦 しをん集英社 2008-11-26by G-Tools 津波で全滅した美浜島で生き残った信之・実花・輔の三人の少年少女。その天災の最中の秘密が、二十年後再会した彼らを動かしていく。 家庭を持つ信之が、家を捨てる覚悟で行動を起こした後の展開の消化不良がいちばん印象に...
突如、美浜島を襲った暴力、津波。島は一瞬にして飲み込まれ、日常の光を失ってしまう。そして、幼馴染の美花を救うために行った信之の暴力。20年後、過去を封印して生活していた信之の前に現れたのは、同じ生き残りの輔。再び彼らの前に現れるのは、光か、暴力か。この話...
同じ日に読んでたみたいですね(笑)
クリスマスイブに読むような作品ではなかった・・
選出ミスでしょうか(苦笑)