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ひなた、吉田修一

ひなた
カバー写真は安村祟。
1996年「Water」で文学界新人賞最終候補。
1997年「最後の息子」で、第117回芥川賞候補。
2002年「パレード」で第15回山本周五郎賞受賞。
「パーク・ライフ」で第127回芥川賞受賞。
ほかに「熱帯魚」「日曜日たち」「東京湾景」「長崎乱楽坂」「ランドマーク」
「春、バーニーズで」「7月24日通り」「女たちは二度遊ぶ」など。
本書は雑誌「JJ」連載を改題加筆修正。


新堂レイ、その彼氏(小学校の同級生)の大路尚純(なおずみ・学生)、
その義姉の大路桂子、その夫の大路浩一(つまり尚純の兄)の4人が
春夏秋冬の季節ごとに、順番に語り手となる連作短編形式です。
それぞれの登場人物にとって日常の出来事はどう見えているのか、
どう考えているのか、その気持ちをつづっていきます。
語られる1年間、男性ふたりの生活内容は薄い印象。
これに対して、元ヤンキーでむかしキャバクラに勤めていたレイは、
ブランド会社の広報に就職が決まってから本社研修に抜擢されるまでになり、
出版社の編集でスタッフを切り盛りしていた桂子は、
不倫もしていながら会社を辞めて家庭に入ることになります。

前に読んだ作品(中年男性のよどんだ日常みたいな話・・・あやふやな記憶
・・・タイトルはすでに忘却の彼方、汗)に比べると会話が主体になっているため、
ずっと読みやすく、感情も鮮明に表現されていました
(掲載紙を意識したのでしょうか?笑)。
でも活発な会話によってもたらされる温かい人間関係は表向きでしょう。
夫婦、恋人、兄弟、義姉弟、女性同士、家庭人、そして友人。
関係や立場が変わり、生活の中でさまざまな場面に出くわすことによって
現れてくる、陽の当たる部分。
そして親しいからこそ見せない、陽の当たらない陰の部分。
その移り変わる有様が、この作品のテーマという気がします。
関連情報 吉田修一の読了本
・・うりずん 吉田修一
・・悪人 吉田修一
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[T207] ひなた [吉田修一]

ひなた吉田 修一 光文社 2006-01-21新堂レイは、誰もが知っているブランド、Hの広報に就職したばかりの新卒。昨年、元同級生の大路尚純と偶然再会して付き合い始めた。尚純は一浪でまだ学生、文京区小日向の実家に家族と暮らしている。その実家に兄浩一と兄嫁の桂子が引っ

[T210] ひなた

「ひなた」 吉田修一大好きな作家さん、吉田修一さんの久々の新刊。「JJ」に連載されていた「キャラメル・ポップコーン」を改題した小説。元ヤンキーの新堂レイ。 レイの恋人、大学4年の大路尚純。 尚純の兄、信用金庫勤務の大路浩一。 浩一の妻、雑誌社の編集部勤務の

[T213] 「ひなた」吉田修一

ひなた吉田 修一新堂レイ。大路尚純。大路桂子。大路浩一。それぞれが一人称で語る春・夏・秋・冬の出来事。元ヤンキー、新卒で有名ファッションブランドHの広報に採用された進藤レイ。レイの恋人で大学生の大路尚純。彼の兄で信用金庫で働き演劇サークルに所属する大路浩

[T215] ひなた*吉田修一

☆☆☆・・ ひなた吉田 修一 (2006/01/21)光文社 この商品の詳細を見る一組のカップル、一組の夫婦、そして一人の男の物語さらけださない、人間関係芥川賞受賞直後、JJという舞台で著者が試みたこと  ――帯よりこ

[T216] 『ひなた』  吉田修一 光文社

ひなた春夏秋冬に分かれた章に、昔はヤンキ―をしてたが今春から有名ブランドの広報として入社した20代前半の女性新堂レイ、レイの同級生で彼氏だがまだ大学生の大路尚純、尚純の兄の妻でファッション雑誌の編集部に勤める大路桂子、尚純の兄で桂子の夫である銀行員の大路浩

[T234] 「ひなた」吉田修一

ひなたよっしゅう(伊坂さんの真似です♪)の本は、何気ない日常を描いたものだと思っていると、思いもしないところで闇を覗くことになったり、軽やかなのにどこか不安な気持ちにさせられます。そして、その不安さや、ざらりと残る感覚がまた妙に気になるのです。これも....

[T1088] ひなた 吉田修一

有名なブランドの広報に就職を決めたレイ。その彼氏である大学生の尚純。尚純の兄・浩一と、ファッション誌の副編集長である妻の桂子。この四人のそれぞれの視線を通して、過ぎていく春夏秋冬をリアルに描く物語。不倫や出生の秘密、借金に暗い過去、貧しく品のない実...

[T1100] 『ひなた』吉田 修一

四人の視点から見た四季の移り変わり。複雑な家庭環境は彼も彼女も意味は違うけど同じ。それぞれに自分の家族を愛している。気楽に過ごせる場所だと思っている。その裏に隠された秘密を知っても、やはり家族とはそういうものなのだ。レイの勤めてるHってエルメ...

[T7726] ひなた/吉田 修一

 一組のカップル、一組の夫婦、そして一人の男の物語。さらけださない人間関係。  なにげないお話なんだけど、なにげないからこそ伝わるものもあるんだなぁ、って思えた一冊。

コメント

[C238]

吉田さんは作品に当たり外れのある印象です(失礼)。この本は当たりでした。
次も読んでみようかなと思っています。

[C239]

そうですね、人の裏表…。見せている面と、見せていない面と。なんだか読んでいて…苦しく(苦笑)

[C241]

>中年男性のよどんだ日常みたいな話・・・どの本だろう?って色々考えてみたのですが、吉田さん全部読んでいるはずなのに思い出せない…私の記憶もそうとうです。
女の人が元気な話でしたね。やっぱり連載されていたのが女性誌だからでしょうか…

[C244]

親しいからこそ見せない、見せられない、陰の部分。
絶妙に描かれていましたね。
  • 2006-06-23 07:10
  • ふらっと
  • URL
  • 編集

[C248]

chiekoaさん
すいません。急いであわてて書いたので、読みづらくなっていたみたいです。修正しました。

ななさん
吉田さん全部読んでいるんですか?すごいですね!。前に読んだのは印象として残った部分だけなので、実際はもっと違う内容でしょう(笑)。
読みやすく、女の人が元気な話だったのは女性誌連載ということもあると思います。

ふらっとさん
嘘はつかないけど秘密はある、ということをさりげなく描いていましたね。

[C273]

>嘘はつかないけど秘密はある
いえてますね。日常ってこういうもんかなぁと思って、寂しくて不安な気持ちになりました。

[C275]

juneさん、こんにちは。
軽快な会話の裏にある陰の部分や距離感がリアルで、そこはかとなく不安感も、かもしだしているようでした。

[C1264]

おはようございます。藍色さん。
こんなにもくっきりと色の見える本は、あまり読んだことがないような気がします。
人生の陰陽が巧く描かれていましたよね。
  • 2006-12-26 08:47
  • ゆう
  • URL
  • 編集

[C1272]

ゆうさん、こんにちは。
ひとりひとり、それぞれに抱えていること、考えが良く伝わってきました。
切り取られた1年間、移り変わる環境と気持ちもくっきり描かれていましたね。

[C1284] そういえばそうでしたね

女性誌向けに書かれているから余計に読みやすかったのかもしれませんね。
私は結構好きで見つけたら読んでますが、この作品は好きな部類に入ります。
映画化もされましたが『7月24日通り』も好きです。
表紙もステキですよね。

[C1288]

うーさん、こんばんは。
掲載誌の意向っていうのは、かなりあるんじゃないかな、と思います。
ふたりの女性の仕事での移り変わりも大きかったですし。
この作品は、そういった読みやすさの気配りがあったのかもしれませんね。
「7月24日通り」未読なんですけど、時間ができたら読んでみようかなぁ・・。

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